2013年4月9日火曜日

北朝鮮ミサイルからの退避行動など

中国のH7N9に気を取られている隙に、北朝鮮がミサイルを日本に向けて明日撃つなどと言い出している。発射の目的も目標も予測するのは難しいが、何が起こっても対応できるようにしておくのが危機管理。いまからでも出来る準備を3つ書いておく。

(1)リアルタイム情報の収集体制
(2)退避行動の基礎(UUUの法則)
(3)退避行動の開始/待機解除のタイミング


順番としては、情報収集>警報>退避>待機>待機解除の順番で考える。

(1)リアルタイム情報の収集体制

ミサイルが打ち上げられてから日本の国土にどれだけの時間で到達あるいは通過するか、着弾目標やコースによって変わるので予測は難しいが、ひとつだけ言えるのは「数時間」ではなく「数分程度」のオーダーである可能性が高いということ。つまり発射が確認されて、仮に日本国土が目標だった場合は対応する時間がほとんどない。

J-ALERTシステムからの防災無線の警報、テレビ・ラジオの臨時ニュース、首相官邸からのLINEメッセージなど、リアルタイムで警報が届く仕組みと、それを組織に伝達する仕組みは事前に構築しておきたい。


(2)退避行動の基礎(UUUの法則)

いままで日本近海を飛んだミサイルに兵器は搭載されていなかったが、今回もスカミサイル(スカッドではない)かどうかは予断は許さない。NBC(核・生物・化学)兵器が搭載される可能性、兵器は搭載されていなくても迎撃されたミサイルの破片が落ちて来る可能性、あるいは原因はわからないが退避行動が必要になる可能性がある。

以下、米国のCERT(Community Emergency Responder Team)と呼ばれる市民レベルの危機対応マニュアルから初歩の対応をご紹介する。CERTの教科書によれば退避の原則は「UUU」と言われる。

Upwind:風上に逃げる。
Upstream:上流に逃げる。
Uphill:高い方へ逃げる。

また、BC兵器が搭載されていると考えられる場合、出来るだけ建物の奥深くに迅速に退避する。そして以下のシールディングを行なう。

・換気装置を切る。
・窓やドアなどを事前に用意・カットしたガムテやビニールなどで目張りする。
・ラジオ等で状況をモニターする。
・消防や専門家などの安全宣言を待ってシールドを解除する。
・安全宣言を待って室内の換気を行なう。

核爆発と思われる閃光を感じたときは、以下の対応が薦められている。

・出来るだけ身体を平らにして地面に伏せる。
・距離が遠い場合、30秒程度の避難時間が得られる可能性がある。
 できるだけ早く、出来るだけ奥深く、建物の中に入る。
・爆発地点と自分を隔てるためにありとあらゆる壁を作る。
 地面、コンクリート、本など何でも良い。
・避難や治療の必要性がない限り、放射線を避ける為に2、3日立てこもる。



(3)退避行動の開始/待機解除のタイミング

・退避開始はJ-ALERT連動の防災無線、テレビ・ラジオの速報で。
・ミサイルの落下、通過、その結果の影響が判明するまでは基本的に屋内に留まる。
 ただし火災からの退避や治療の必要性が生じた場合は除く。
・待機の解除も基本的には公的機関からのアナウンスを待つ。

いまからお金をかけずに準備できることを列挙してみた。それにしても地震や新型感染症だけでなく、隣国からのミサイルまで注意しなければならないとは。実は紛争地帯に住んでいるんだということを実感しますね。

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